アメージングカレッジがOSUSOと挑む、新しい教育のかたち
「学校に行けない子どもが変わるのではなく、子どもに合った学びの環境があってもいい。」
そんな考え方のもと、子どもたち一人ひとりの可能性を育むオルタナティブスクール「アメージングカレッジ」。
埼玉県東松山市にあるこの学校では、子どもたちが自ら考え、挑戦し、失敗から学ぶ教育が実践されています。
一方で、その教育を継続するためには、安定した学校経営も欠かせません。
現在、OSUSOとの連携を通じて、財政的な自立と、経営者が教育に参画する新しい仕組みづくりを進めています。
中心となって活動する町山辰也氏に、教育への思いと、OSUSOとの連携に期待することを聞きました。

CHAPTER 01子どもたちに「何をしたい?」と聞いても、答えが返ってこなかった
まず、アメージングカレッジでは、どんな教育を大切にされているのでしょうか。
町山:一番大切にしているのは、子どもたち自身が考えて、行動できるようになることですね。
最初の頃は、子どもたちに「何をしたい?」と聞いても、なかなか答えが返ってこなかったんです。
自分が何をしたいのか、何が好きなのか、それを考える機会自体が少なかったのかもしれません。
だから僕たちは、とにかくいろいろなことに挑戦してもらうようにしています。
「年間100個の三日坊主」
という考え方も、とても印象的ですよね。
町山:そうですね。
三日坊主って、普通はあまり良い意味では使われないじゃないですか。
でも、僕はそれでいいと思っているんです。
大事なのは、まず真剣にやってみること。
やってみた結果、自分に合わないと思ったら、また別のことをやればいい。
失敗することが悪いのではなくて、何も挑戦しないことの方がもったいないと思っています。
実際に、子どもたちにはどんな変化が生まれていますか。
町山:すごく変わってきていますね。
特に高学年の子どもたちが、自分たちで考えて行動するようになりました。
子ども同士で喧嘩が起きても、上の学年の子たちが間に入って、話を聞いて解決しようとするんです。
大人が全部決めるのではなく、子どもたち自身で考える。
そういう環境が少しずつできてきています。




から始まる時間。
CHAPTER 02子どもの教育以上に、親の笑顔を取り戻したい
学校には、不登校などの悩みを抱えてきた子どもたちも多いと伺いました。
町山:そうですね。
入ってくる子どもたちの多くが、これまでの学校生活で何かしらの問題を抱えています。
ただ、僕たちは子どもだけを見ているわけではないんです。
むしろ、保護者の方へのサポートをすごく大切にしています。
僕は、子どもの教育が1割、親の笑顔を取り戻すことが9割というくらいの気持ちでやっています。
親御さんへの関わりが、子どもたちの変化につながるということですね。
町山:そうなんです。
子どもが学校に行けないと、どうしても親御さんも悩んでしまいますよね。
でも、家庭の中での接し方が変わることで、子どもの行動も変わってくることがあるんです。
例えば、5年間引きこもっていた子どもが、自分からコンビニに出かけられるようになったこともありました。
そういう変化は、本当に大きいと思うんです。
学校に来られるようになることだけがゴールではありません。
子ども自身が自分を肯定できて、家族も笑顔になれることが大切なんです。
CHAPTER 03教育への思いだけでは、学校を続けられない
一方で、アメージングカレッジは、これまで運営面でも大変な時期があったと伺いました。
町山:そうですね。
以前は別の運営体制で学校を進めていたのですが、資金の使い方などに問題があって、学校の存続自体が厳しくなった時期がありました。
そこから運営を立て直してきたんです。
教育の中身がどれだけ良くても、経営が続かなければ学校を守れないんですよね。
今は子どもたちの月謝や施設の利用料などの収入がありますが、それだけでは十分ではなくて、アルファクラブさんにも支えていただいています。
ただ、今後はできるだけ自立した運営を目指していきたいと思っています。
その中で、OSUSOとの連携を選ばれた理由は何だったのでしょうか。
町山:大きいのは、持続可能な仕組みをつくりたいということですね。
社会貢献の活動って、どうしても資金面で苦労することが多いと思うんです。
どれだけ良いことをしていても、お金がなければ続けられない。
だからこそ、継続的に支えてくれる人たちとのつながりが必要だと思っています。
OSUSOを通じて、僕たちの教育方針に共感してくれる経営者の方々を増やしていきたいんです。

CHAPTER 04資金集めではなく、教育をともにつくる「仲間集め」へ
単に資金を支援していただくということではないんですね。
町山:そうですね。
僕は、お金を集めるというよりも、仲間を集めるという感覚なんです。
学校のことを応援してくれる経営者の方々が増えることによって、経営的にも安定しますし、何より子どもたちにとっての学びの機会も増えるんです。
経営者の方々が、教育そのものに関わることも想定されているんですね。
町山:そうなんです。
子どもたちには、もっと社会とつながる機会をつくってあげたいと思っています。
例えば、経営者の方に学校に来ていただいて、ご自身の仕事について話してもらう。
実際に何かをつくったり、販売したり、イベントを企画したりする。
そういう経験って、学校の中だけではなかなかできないこともあるじゃないですか。
社会で活躍している大人と出会うことで、子どもたちの選択肢が広がっていくと思っています。
OSUSOとの連携で、財政的な自立と教育の充実、その両方を目指しているということですね。
町山:そうですね。
現在は50人の応援者を集めて、月額約200万円の財源を確保することを目標にしています。
それによって、学校経営を安定させていきたい。
同時に、関わってくださる経営者の方々の経験や知識を、子どもたちの学びに活かしていきたいと思っています。


CHAPTER 05一つの学校を守るだけでなく、全国の教育を変えていきたい
将来的には、アメージングカレッジのような教育を全国に広げていく構想もあるのでしょうか。
町山:ありますね。
ただ、学校をどんどん増やせばいいということではないと思っています。
フリースクールやオルタナティブスクールって、教育への思いがあって始めても、経営がうまくいかずに閉校してしまうこともあります。
だからこそ、教育の質と経営の安定、その両方が大切なんです。
僕たちが今までやってきたことを、他の学校にも活かせるようにしたいですね。
新しい学校をつくるだけでなく、すでにある学校と連携するということですか。
町山:そうですね。
すでにある施設や学校と協力して、教育のノウハウを共有していくことも考えています。
例えば、複数の学校で専門的な先生を共有できれば、子どもたちにいろいろな体験を提供しながら、運営の負担も減らせますよね。
それぞれの地域に合った形で、子どもたちの学びの選択肢を増やしていきたいんです。
最後に、OSUSOとの連携を通じて、どんな未来を実現したいですか。
町山:子どもたちが、自分の可能性を信じられる社会をつくりたいですね。
学校に行けなかったり、周りと同じようにできなかったりしても、それで人生が決まるわけではないと思うんです。
一人ひとり違っていていいし、何度失敗してもいい。
その子に合った場所で、自分のやりたいことを見つけられる環境がもっと増えてほしい。
そのために、教育への思いを持つ経営者の皆さんとつながって、一緒に学校を支える仕組みをつくっていきたいと思っています。
「年間100個の三日坊主」。
その言葉には、失敗を恐れず、自分の可能性を探し続けてほしいという願いが込められています。
一人の子どもの選択肢を広げるために、学校だけでなく、社会の大人たちが関わる。
アメージングカレッジとOSUSOの連携が目指しているのは、そんな新しい教育のあり方です。
子どもたちの未来を、学校だけに任せない。
私たち大人には、何ができるだろうか。
町山 辰也アメージングカレッジ 学園長
amazing college地域・子ども・家族と共に、つくる学校。「自立と共生の秘密基地」で、日本の未来のために、人間⼒・創造⼒あふれる子どもを育む。

