まだ食べられる。
でも、売ることはできない。
そのままなら、捨てられてしまう。
食品ロスについて考えるとき、私たちは「どうやって捨てる量を減らすか」を考える。
けれど、キボッチャでは少し違う方向から見ている。
捨てられるはずだったものに、もう一度「価値」を与えられないか。
そのために使われているのが、「キボッチャポイント」である。
食べ物と、「気持ち」を交換する
キボッチャでは、地域の飲食店や漁師などと連携し、地域内で使えるポイントの仕組みを動かしている。
取材では、飲食店や市場などで廃棄される食材をポイントと交換し、その食材を使って「キボッチメニュー」をつくる取り組みが紹介された。
そのままなら、捨てられていたかもしれない食材。
それをキボッチャが受け取り、別の料理として生かす。
提供した側には、ポイントが渡る。
一つの食材を中心に、
店。
地域。
キボッチャ。
利用する人。
新しい関係が生まれていく。
食品ロスを減らすことが目的であると同時に、地域の中に関係をつくる仕組みにもなっている。
「捨てない」だけでは、循環にならない
食品ロスというと、
「もったいないから捨てないようにしよう」
と考える。
もちろん、それも大切だ。
でも、本当の循環をつくるには、
捨てないだけでは足りない。
次に使う人がいる。
運ぶ人がいる。
料理する人がいる。
その価値を認める仕組みがある。
循環とは、モノを残すことではなく、次の行き先までつなぐことだ。
キボッチポイントは、その間をつなぐ役割を担っている。
地域の店とつながることにも意味がある
この仕組みが生み出すものは、食材の再利用だけではない。
地域の飲食店と話す。
漁師とつながる。
誰が何を持っているのかを知る。
日常の中で、小さなやり取りが生まれる。
その関係が積み重なれば、地域の中に「顔の見える関係」が増えていく。
キボッチャが目指しているのは、地域の人たちが日常的に支え合えるインフラをつくることでもある。
だから、食品ロスも単独の環境問題として扱わない。
食をきっかけに、人と人をつなぐ。
「ロス」は、本当にロスなのだろうか
捨てられる食材。
使われていない土地。
廃校。
キボッチャの取り組みには、何度も「使われていないもの」が登場する。
共通しているのは、
それをそのまま「不要なもの」とは見ないことだ。
ロスとは、価値がなくなった状態ではなく、価値が次につながっていない状態なのかもしれない。
そう考えると、
私たちの日常にも、たくさんの「ロス」が見えてくる。
使わなくなったもの。
誰にも渡していない知識。
余っている時間。
つながっていない人と人。
OSUSOの「おすそわけ」も、そこから始められる。
捨てる前に、
「これを必要としている人はいないだろうか」と考える。
それだけで、
終わるはずだった価値が、
もう一度、誰かのところで動き始めるかもしれない。
